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『レビューブック』S-22でピルは子宮体癌の誘因として上げられていますが,『クエスチョン・バンク』p.396の子宮体癌の危険因子としてもピルが挙げられています.
どちらが正しいのでしょうか? |
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(Sさん) |
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一般的に高エストロゲン環境は、子宮体癌の発症要因となります。ですから子宮体癌の既往のある患者には原則的にエストロゲン製剤やピル(ホルモン補充療法目的の)の使用は好ましくありません。
さて、それではピルの服用自体が子宮体癌のリスクをあげるのかというと、結果はその逆なのです。ピルの服用により、定期的な消退出血をおこして、内膜を周期ごとに更新させることは、排卵障害などホルモン環境の不安定な傾向のある女性に対して、体癌の予防効果があります。
そんなわけで、無排卵周期の傾向のある患者さんに関しては、子宮内膜増殖症や体癌のリスクを低下させる目的に、ピル内服をお勧めするケースもしばしばなのです。
では、排卵障害や不正出血をともなう子宮内膜増殖症の患者さんに対して、出血をコントロールしたり、内膜を更新させるための消退出血をおこさせるために、ピル(エストロゲンと黄体ホルモンの合剤)を処方するかというと、そうではありません。普通、そうした状態では黄体ホルモン剤のみで内膜を更新させます。
ちなみにピルの内服者では、疫学的に頚癌のリスクが若干上昇するという報告が多いのですが、これは卵胞ホルモンや黄体ホルモンの直接の作用ではなく、ピル内服によってHPV感染のリスク(つまり性行為による感染機会)が上昇するためというのが、実際の理由のようです。
結論的にはレビューブックやクエスチョンバンクの記述は、それぞれ正しいのです。
レビューブックS-22で子宮体癌の誘因として女性ホルモンがあげられているのは正しいですし、クエスチョンバンクの公衆衛生p396の、体癌の危険因子としてピルをあげることも、まちがいとはいえません。p301で、ピル内服によって体癌の発症率は低下し、頚癌の発症率が上昇するのも事実ですが、ピルのホルモン作用自体は頚癌のリスクを上昇させないという意味では、WHOの報告の通りです。 |
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(Dr.I) |