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A章:消化器疾患

胃癌術後の呼吸法
術後ストーマについて
術後の嘔吐
機械的イレウスと機能的イレウス
水分の消化
頸部食道癌
食道癌の再建術
クルッケンベルグ腫瘍
高カルシウム血症


 
 
 ★ 胃癌術後の呼吸法  
Q A-44 胃癌術後は胸式呼吸を指導する,とありますが,腹式呼吸にするという記述のある本もあります.本当はどちらが正しいのでしょうか?
   
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A  evidenceのある術後呼吸器合併症予防法は「深呼吸」のようです。胸式、腹式の区別よりも、深呼吸が重要です。
 術前呼吸指導としては、胸式、腹式の両方を指導すべきで、本によっては腹式が良いとか、胸式が良いとか書いてありますが,きちんとした根拠がないようです。
 しかし、一般に腹部の手術では創の疼痛や留置されているドレーンなどのために腹式呼吸が十分に出来ないことがある(大きな腹式呼吸でドレーンなどの位置がずれることを気にする医師もいる)ので胸式呼吸を勧めていることが多いようです。(但し、本によっては創の上に手を当てて腹式呼吸を勧めているものもあり、混乱してしまいます。) 
  (Dr.N)

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 ★ 術後ストーマについて  
Q 術後ストーマの変化について色の変化,大きさの変化について正常を知りたいのですが分かりません.教えて下さい.
  (ブーさん)
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A 色調は,手術直後は暗赤色を呈していますが,浮腫が軽減されてくるときれいなピンク色になってきます.暗紫色に変化した場合はストーマへの血行が絶たれていて,壊死に至る可能性があるため注意が必要です.大きさには個人差があり,ストーマを造設する位置によっても異なります.手術後1〜2週間で浮腫は消失しますが,それまでは浮腫の変化に合わせてストーマの大きさも変化します.(やや縮小します)浮腫消失後,ストーマの大きさは固定します.ストーマの観察では,色調や大きさ以外に壊死,陥没,脱出,感染の有無等を確認することも重要です.
  (ナースT)

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 ★ 術後の嘔吐  
Q 実習で患者さんが術直後嘔吐をし、さらに黄色い胃液まで吐かれてました。なぜ、嘔吐が続くと黄色になるんですか?胃液は無色透明なのに・・・教えてください。
  (Sさん)
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A 術後嘔吐されているのは,胃液やガスが胃内に貯留し,胃部が膨満することで起きていると思われます.どのような手術をされ,どのような処置を受けているのか詳しくはわかりませんが,手術による吻合部位の狭窄などによってそのような症状が起こります.吐物の性状が黄色であるというのは,おそらく胆汁が混ざっているためであると思われます.胆汁は色素を含み,十二指腸に排泄されますが,何らかの原因で胆汁が逆流して,胃液に混ざったと思われます.どのような疾患で,どのような手術を行ったかを生理して考えて理解してみて下さい.(RB-A15)
  (ナースM)

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 ★ 機械的イレウスと機能的イレウス  
Q 機械的イレウスと機能的イレウスではそれぞれ看護も違ってくると習ったのですが,どう違ってくるのしょうか?
  (Mさん)
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A 機械的イレウスとは単純性(腸管の血行不全のないもの),複雑性(腸管の血行不全があるもの)イレウスを示し,機能的イレウスとは麻痺性(腸管が運動麻痺したもの),痙攣性(腸管が痙攣性に収縮したもの)イレウスを示します.病態生理と合わせて看護を考えていくとわかると思います. (RB-A64)
   

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 ★ 水分の消化  
Q 食物は摂取されると消化管を通って、腸で吸収されますが、水分を摂取してから尿として排泄されるまで細かく教えて下さい。口腔⇒食道⇒胃⇒?・・・・この続きを教えて下さい。
  (Sさん)
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A 人は,1日約2lの水を経口摂取し,上部消化管(口腔,食道,胃,十二指腸)より1日約7lの水分が分泌されます.腸で吸収される水分のうち95%が小腸で吸収され,残りの5%が大腸で吸収されて糞塊が形成されます.実際の量としては小腸で1日約8l,大腸で1日約0.9lの水分が吸収され,大便には1日約0.1lの水分が排泄されています.
腸で吸収された水分は全身の細胞に行きわたります.そして体内での老廃物を排泄するために,腎の糸球体で濾過し,尿が生成されます.糸球体では水・電解質,老廃物が濾過されますが,体に必要な水と電解質は尿細管で再吸収されます.尿の精製についてはレビューブックE章腎のE-5「尿の生成」を参照してください.したがって,腸炎で下痢がひどくなると,吸収される水分が少なく,喪失する水分が増えて脱水になるというわけです.
注:アルコールは例外的に胃から吸収されます.
   

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 ★ 頸部食道癌  
Q 頸部食道癌で咽喉頭摘出を行った術後8日目になる患者さんを受け持つことになりました。術式の中に「胸骨縦切開」とあったのですが、何のために行われたのでしょうか?
また、経口摂取開始時に誤嚥が問題になりますが、気管孔があり、食道と気道は別なのに誤嚥する危険があるのは何故ですか?
   
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A 頸部食道癌の手術では頸部食道切除が行われます.また食道癌ではリンパ節転移があるためリンパ節郭清も行われます.そのため術野は病変部位より広めにとらなければなりません.また食道は後縦隔にあるので到達するのには胸骨を切開する必要があるのです.(ちなみに中部食道癌では右開胸が行われます.これは左は心臓があるのでアプローチしにくいからです.)
頸部の術後合併症の中に「反回神経麻痺」というのがあるのをご存じですか?誤嚥はこの反回神経麻痺の症状のひとつなのです.一側の麻痺では嗄声と誤嚥が起こりますがどちらも自然に回復します.しかし両側の麻痺では窒息をきたしてしまうので注意しなければなりません.
外科の看護では正常解剖と照らし合わせてみると“なるほど!”と思うことがあります.(RB-A31)
  (ナースT)

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 ★ 食道癌の再建術  
Q 食道癌の再建術の経路は胸骨後がよく用いられますがどうして縫合不全を生じても致命的にならないのですか?詳しく教えてください。
  (S.Kさん)
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A 食道再建術では,血行のよい胃を代用食道として使うことが多いです.その場合,頸部まで胃を挙上して食道胃吻合が行われます.これは縫合不全がおこっても頸部に膿瘍ができるだけで,致命的合併症にはならないからです.また胃を右胸腔内に挙上する場合もありますが,縫合不全がおこると膿胸に移行し,生命をおびやかす合併症になりうること,食道を全摘しないので飛び石転移を取り残すなどの欠点があります.(RB-A32)
   

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 ★ クルッケンベルグ腫瘍  
Q 胃癌の転移でクルッケンベルグ腫瘍がありますが,これは何性の転移ですか?本をいくつか見たのですが,血行・リンパ・播種と全て書いてあり,どれが当たってるのかわかりません.ちなみに,何かいい覚え方があったら,ぜひ教えて下さい.お願いします.
  (T&Mさん)
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A 胃癌の転移は分化型腺癌では血行性が,未分化型の多い浸潤癌では漿膜浸潤が多く,リンパ節転移や腹膜播腫しやすいと考えられています.卵巣転移であるkrukenberg腫瘍については,転移経路に関する定説はありません.(RB-A43)

覚えやすい語呂(これはQuestionBank掲載予定ですので無断転用しないでください.)
   くらくら うさぎ ダッシュ
 12   34  5 6
 
1;クルッケンベルグ腫瘍
2;卵巣転移
3;ウィルヒョウ転移
4;左鎖骨上窩リンパ節
5;ダグラス窩転移
6;シュニッツラー転移
   

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 ★ 高カルシウム血症  
Q 高カルシウム血症は,胃液分泌を促進させ,消化性潰瘍や膵炎をおこしやすいとありました.なぜ胃液分泌と関係があるか分からないので教えて下さい.
  (S.Mさん)
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A 消化管ホルモンの中にガストリンがあります.分泌部位は幽門前庭部及び小腸上部のG-Cellからで,主な 作用に胃酸,ペプシン分泌促進,膵酵素分泌促進等があります.高Ca血症ではこのガストリン分泌を促進させる因子が生じ,胃潰瘍,膵炎を来しやすくさせます.胃潰瘍は攻撃因子(胃酸,ペプシン)>防御因子(粘液,血液,PG等)となった時おこります.また,膵炎は膵酵素が活性化され,膵組織を自己消化する病態です.高Ca血症と胃液分泌の関係はこのようになっています.(RB-A14)
   

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