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【6年生】 「国試,取る技術!捨てる技術!」
編集部Mです.国試まであとおよそ4ヵ月.そろそろ後半戦ですね.
早くから対策している人なら,『QB』1周目を終ったり,マイナー,公衆衛生,必修対策を意識しはじめたりしているかもしれません.
でも,これからようやく本格的に『QB』を解き始めるという人も多いはず.
大丈夫.間に合います.
これからはじめる,という人は,まず,6月に「リンカクをつかんでから本気を出す国試対策」という記事を書いているので,これを参考にしてみてくださいね.
リンカクをつかんでから本気を出す国試対策 その1
リンカクをつかんでから本気を出す国試対策 その2
リンカクをつかんでから本気を出す国試対策 その3
「リンカクをつかんでから本気を出す国試対策」は,
早くから国試対策をしている人から,わりと時間がない人まで,ある程度広い層に参考にしてもらえれば,と思って書いた記事でした.
今回の記事は,いわばこの続編.
ほんとにほんとに時間がない人のための,国試最短距離突破法です.
題して「国試,取る技術!捨てる技術!」.
これは,医学部在籍でありながら医師とはまったく違う進路を志すようになり,某難関試験突破を第一目標にしつつも,医師国家試験も受験したというKさんのインタビューです.
Kさんは,国試対策の勉強をはじめたのが冬.
もともとの学校の成績もかなり下のほうだったとのこと.
にもかかわらず,第一志望の試験も,医師国家試験も,一発で両方合格されました.
Kさんはどうやって国試対策をしたのでしょうか?
メディックメディアの近くのレストランでインタビューしてみました.
◆◆◆キーワードはコストパフォーマンス!◆◆◆
――学校の成績はどうだったの?
K:成績表の7~8割は「可」です.
3年生のときなんか,ほとんどすべてのテストで再試験になり,留年しかけました.
退学しようとも思いました(笑).
たぶん学年のなかで最下層だったと思います.
――それはやっぱり医師とは違う別の進路を考えていたから?
K:そうですね.医学部に入ったはいいものの,別にやりたいことができて….
だから医学部の勉強に身が入らなかったんです.
で,そのまま別の試験を受けるための勉強をはじめたので,ほんとに医学の勉強をしないままに6年生の秋になりました.
医学部自体は卒業しようって思っていたので卒試の勉強はしましたが,国試の勉強には全然手がまわらなかったです.
――『QB』もやってない?
K:10月が終わった時点で,『QB』は内分泌の一般問題を4分の1終わっただけでしたね.
――そこからどうやって合格レベルまでもっていったの?
K:まず考えたのが,65%を確実に取るということ.
合格最低限までもっていけばいいんです.
だって,国家試験は高得点を取ることが目的ではありませんから.
キーワードはコストパフォーマンスです.
ここでは,コストとは勉強に費やす時間のことを指します.
つまり,僕は国試対策をする時間がほとんどなかったから,短時間で得点効果の高い科目を徹底的に勉強し,そうでない科目は切ったんです.
◆◆◆マイナー対策は『QB必修』のみでいきました◆◆◆
――具体的にいうと?
K:まず『QB』を並べてみましょう.
多いですね.うんざりしますね.
だからうんざりしないように,まずマイナーは新品のまま片付けてしまいましょう.
そのほうが中古で高く売れます.
――あーっ,それはかんべんしてくださいっ!! そもそもマイナーは重要じゃないですか!
K:えっ!まさかっ!!と不安に思いますよね.
たしかに「マイナーが重要じゃない」っていうのはマチガイ.
マイナーはコストパフォーマンスのいい科目といってもいいと思います.
でも,『QB』マイナーを解くのが「コストパフォーマンスがいい」かというと,それはちょっと違うと思うんです.
――マイナー対策は『QBマイナー』を使わないってこと?
K:そうです.
もう一度,最初に戻りましょう.
国試に受かるには
(1) 必修8割
(2) 禁忌肢を3問以上選択しない
(3) 一般問題を一定基準以上突破→例年だいたい65%
(4) 臨床問題を一定基準以上突破→例年だいたい65%
ですよね.
この4基準を確実にクリアすることを徹底化するんです.
このなかで一番怖いのは必修.
必修はカンタンっていうけど,8割を絶対確実に取るっていうのは,かなり壁が高い.
だから,冬から国試対策をした僕がはじめにやったのは,
『QB必修』を徹底的に解くということでした.
必修っていうのは,医療面接みたいに必修独自のテーマもあるけど,大半はメジャー,マイナー,公衆衛生のエッセンスで構成されている.
普通の一般問題や臨床問題の勉強にもなるわけです.
それに禁忌肢がでるのも,基本的には必修.
だから,まず必修を徹底的にやるということは,必修8割をとれる力をつけると同時に,残りの2,3,4の合格基準に関係する力もある程度つけられるんです.
――つまり,マイナー対策は『QB必修』でやるってこと?
K:そうです.
具体的に眼科を例に挙げましょう.
白内障や緑内障,糖尿病性網膜症なんかは,眼科のエースみたいな疾患ですね.
これらを学ばないで国家試験に臨んだら,きっと落ちます.
でも,これらはみんな必修対策のなかで学べるんです.
――確かに,マイナーって,出題範囲数が多くない中で,眼科だったら白内障や緑内障,糖尿病性網膜症みたいに重要疾患は結局ほぼ毎年出さないといけないから,マニアックな疾患ってメジャーに比べて出にくいよね.
K:そう,その「重要な疾患」,「毎年出る疾患」っていうのが必修のガイドラインに基本的に入っている疾患なんです.
だから,マイナーを勉強しないんじゃなくて,重要な毎年出そうなテーマを選んでマイナー対策をやることが,「コストパフォーマンスがいい対策」ということになる.
それが結果的に『QB必修』をやるということなんですね.
――つまり,まず一番怖い必修対策をする.
その中で一般,臨床,禁忌肢対策はもちろん,マイナー対策もやるってことだね.
あと,救急なんかも必修でかなり対策できるね.
K:基本的にはそうですが,一番重要なのが必修であっても,必修だけやればいいということではありません.
さっき国試の合格基準を4つ示しましたが,これを別の言い方に直すと
1 メジャー65%
2 マイナー65%
3 公衆衛生65%
4 ただし必修に出るものは80%
5 禁忌肢は3問以上選択しない
という感じにもできますね.
マイナーは,各科で「繰り返し出題される」疾患数が少ないために,必然的に必修対策をしっかり行えば,普通の一般・臨床での得点も65%に到達しやすい.
でもマイナーが『QB必修』のなかで十分できるのに対して,メジャーはそうはいかない.
出題されうる可能性が高い疾患の数が多い.
必修対策だけでは到底太刀打ちできないですね.
◆◆◆メジャーはエース級に集中攻撃!◆◆◆
――マイナー対策は,『QB必修』のなかでやるんだね.
じゃあメジャー対策はどうしたの?コストパフォーマンスがいい方法ってあるの?
K:メジャーも全部やるのはしんどいですね.マイナーの比じゃない.
だから,コストパフォーマンスというキーワードで国試対策を考えたとき,メジャー対策は最も重要なポイントだと思います.
まず,出題数が少ないメジャー科目に注目します.
――じゃあ,メディックメディアで調べた過去4年くらいの各科の出題割合があるから,これを見ながら話そうか.
「国試に出題されやすい分野ランキング」
(携帯の方はこちら)
K:まずは腎臓,アレ・膠,血液,感染症,中毒,救急,麻酔に目を付けましょう.
出題数,少ないですね.
出題が少なすぎる中毒,救急,麻酔を切るのは当然.
中毒やこれにプラスして何を切るか?
僕のオススメは,「血液と感染症を切る」ことです.
――なんで?
K:この2つは出題数が少ないくせに,分量が多いからです.
しかも,血液とか感染症って,目に見えない疾患が多くて,わかりにくいですよね.
だから,私は,やりませんでした(笑).
――たしかに消化器に比べたらわかりにくいけど…(笑).
K:自分にとって,その科が勉強しやすいか,勉強しにくいかっていうのも,コストパフォーマンスを考える上では一応ポイントですね.
もちろん,血液や感染症が得意な人は,やってもいいですし,
繰り返しになりますが,必修でカバーされている血液と感染症の疾患はゼッタイにちゃんと抑えるんですよ.
――腎臓やアレ・膠はやったの?
K:腎臓は出題数は少ないけど,重要疾患が少なくて覚えやすく,
コストパフォーマンス的に得だと考えたので解きましたね.
膠原病も同様の理由から解きました.
ただ,アレルギーとかはよくわからないので,
RA,SLE,MCTDなどの大切な膠原病だけをしっかり抑えました.
――これらはメジャーのなかでは,脇役みたいな科だよね.エース級の科はどうしたの?
K:エース級って,出題数が30題クラスある残りの重い内科ですよね.
消化器(消化管,肝胆膵),循環器,呼吸器,神経…
はっきり言って,超重要です.
全部やりましょう!
国試までの予定は「この残りの内科を中心にスケジュールを組む」ことをお勧めします.
マイナー,血液,感染を省エネで乗り切ったのですから,ここはがっつり抑えましょう.
得点源ってやつです.
特に,呼吸器はほかに比べて『QB』が薄いわりに出題が多いのでオススメです.
大好きです.
これらエース級はゼッタイに妥協しないほうがいいと思う.
あと内分泌・代謝は準エース級なので,ちゃんとやったほうがいいと思います.
◆◆◆小児・産科はエース級扱いで!◆◆◆
――小児・産科・婦人科は?
K:メジャーの中でも,
小児科,産科は,時代の流れもあるのか,エース級に匹敵する出題数の多さですね.
だから大事です.おさえてください.
一方,婦人科はけっこう落ちる.血液と同じくらいですね.
だから,メジャーな疾患だけしっかり抑えて,マニアックなやつは流してもいいと思います.
僕なんか,ホウジョウキタイから下はみんなよくわからない.
「胎盤の病気だっけ?」くらいのレベルです.漢字もかけません.
出題されてもどうせ一題ぐらいだから,捨てました.
◆◆◆「実力で解ける問題」と「実力じゃないけど解けちゃった問題」◆◆◆
――なるほど.じゃあラスト,公衆衛生は?
K:超重要!!
でも,公衆衛生の話をする前に,ちょっと一回脱線しましょう.
僕は,65%突破を考えるときに,国試の問題を
「実力で解ける問題」と「実力じゃないけど解けちゃった問題」の2つに分けて考えます.
「実力で解ける問題」っていうのは,いままで話してきたように,
自分がしっかり勉強して,そのうえで自信を持って解答できた問題.
ぼくは,これが自分の得点のなかでだいたい60%くらいだと思う.
65%に届いてないですね.
でも国試は5択のマークシートだから,打率2割でヒットが打ててしまう.
60%自信を持ってとけたら,残りの40%のなかの20%,
つまり8%は「実力じゃないけど解けちゃった問題」が出てくる.
つまり得点率は68%で,65%を超える.
――確かに.でも今の国試は,まぐれで解けないようにX2が増えてきているし,来年からは新傾向問題として「実力じゃないと解けない問題」が増えてくるよ.
参考
「103回国試から新形式が! これから必要なチカラって…?」その1
「103回国試から新形式が! これから必要なチカラって…?」その2
K:確かに今後は,僕の方法だけだとちょっとキビシイ可能性もある.
でも,一応,6年間医学部にいて,多少は医学に触れていて,実力じゃないけど「たぶんこうだろう」っていう感じのカンみたいなもので,正解できることもある.
「まぐれ」じゃなくて「経験的なカン」っていうか.
臨床問題なんか,完全に「まぐれ」狙いで選択肢を選ぶことは少ない.
わからなくても「経験的なカン」を働かせているから,実力とは言えないまでも「まぐれ」より正答率は高いはず.
こういう要素をひっくるめて,「実力で解ける問題」を60%にすると68%くらい行く気がする.
実際,僕の得点は70%くらいでした.
◆◆◆『QB公衆衛生』は「4巻目のQB必修」!◆◆◆
――なるほど.それと公衆衛生はどういう関係があるの?
K:公衆衛生っていのは,いわゆるサイエンスとしての医学と違って,本当に知っているか,知っていないかの世界.
しかも学生時代ほとんど勉強しないし,しても,ほぼ忘れる.
忘れてなくても最新の情報じゃないと使えない.
「経験的なカン」が使えないんです.だから知らないと本当に打率2割になってしまう.
しかも,必修にもけっこう出る!
必修8割を考えても,公衆衛生対策は手を抜けない.
――しかも,国試は一般と臨床が別々に採点され,どっちも基準以上とらないとダメだけど,公衆衛生って,一般でものすごく沢山でるから,国試合格を考える上で,公衆衛生ってものすごく大きな山なんだよね.
一般1点,臨床3点っていう配点は必修以外では意味を持たないから,公衆衛生をやらないとかなりの確率で一般落ちしちゃう.
僕はいつも学生に「公衆衛生をなめたら国試は落ちる」って言ってるんだけど….
K:確かに.
公衆衛生は,カンでは解けない.
そして,沢山でる.最新の情報でないと意味がない.
でもパターンは決まっているから,やれば確実な得点源になる.
『QB公衆衛生』はめちゃくちゃ重要なんです.
僕は『QB公衆衛生』を「4巻目のQB必修」と呼んでいました.
◆◆◆メリハリが大切!◆◆◆
――「4巻目のQB必修」!すごい言い方.でもその通りだと思う.
やっぱり国試対策後半戦の山は,なんといっても公衆衛生ですね.
…さて,これまでけっこういろんな話が聞けました.ありがとう.
ちょっと整理してみましょうか.
K:だいたい僕の国試対策はこんな感じかな.
(1) まず『QB必修』を徹底的にやる.救急やマイナー対策をかねて.
(2) 消化器,循環器,呼吸器,神経はエース級.
小児,産科,内分泌は準エース級.
これらの『QB』は徹底的にやる.
(3) 婦人科,腎臓,アレ・膠は頻出疾患を意識して効率よくやる.
(4) メジャーの『QB』(血液,感染症,中毒,救急,麻酔)と
マイナーの『QB』は切る.
※ただし必修レベルの疾患は必修対策の中で徹底的にやる.
(5)『QB公衆衛生』は徹底的にやる.
――徹底してますね.
K:要するに,メリハリなんです.
全部をダラダラやるか,6割をしっかりマスターするか.
好みの問題ですが,私は全部をだらだらやる時間が無かったので,「切るところは切る.抑えるところは抑える」を徹底しました.
やるべきことは,
●合格するためには何が必要か(必修以外で,最終的に65%以上取ること).
●そのためには自分をどこまで高めればいいのか(実力で6割強解けるようになること).
ということを冷静に分析し,分析に沿って計画し,そしてその通りに行動することです.
具体的にどれを切るかとかは,個人の判断でいいと思います.
でも,僕の方法は,全員に勧められるものかどうかはわかりません.
あくまで,医師以外の目標をみつけた僕が,時間がない中で,「合格」という結果のみを追求した場合の医師国試対策パターンです.
医師という職業を目指す一般的な医学生にとっての国試の目的って,
本当は単に「合格」だけではないはず.
――これから,研修医として現場っていうあたらしいステージで働き,あたらしいことを学ぶために,机の上の勉強だけでも予めちゃんとやっておこう,いままで学んだ知識を総整理しておこう,という意味もありますよね.
将来の目標によっても勉強法は変ってくるはず.
K:そうですね.自分自身がどうするかは,自分で決めて欲しい.
具体的に「どれを切ろう」とか,「いや全部やろう」とか,「この科はちゃんとやろう」というのは,個人の判断でいいと思います.
――うん.こういう人もいたんだ,っていうくらいで参考にしてもらえればいい.
あとは人それぞれですよね.
それでは,今日は本当にどうもありがとうございました.
K:みなさん,国試勉強がんばってください.
医師として働く皆さんの人生が,少しでも輝かしいものになることを祈っています.
◇◇◇◇◇
Kさんの話,面白かったですね.
でも,編集者である僕がみなさんに本当に知っておいて欲しかったのは
どの科目を切るとか切らないとかということではありません.それは参考程度.
そもそもKさんと同じ方法をとったからといって,
みなさんが同じように70%取れるかどうかはわかりません.
知って欲しかったのは
「いままでほとんど勉強してなくて」
「学校の成績も悪くて」
「まだ『QB』もやってない」人でも,
国試対策はまだ間に合う!
ということなんです.
あきらめずに,自分の現状を把握して,冷静に優先順位をきめて勉強してみてください.
あと補足です.
疾患という意味ではマイナー科目は重要なものは必修の範囲で問われますが,
聞かれる内容に違いがあることもあるし,
マイナーはインタビューでも話してあるように,
出るパターンが狭いのでやった分だけ得点アップにつながりやすいです.
放射線科はほんとうに「ほとんど出ない」ので切ってもいいと思いますが,
他のマイナー科は,過去5年分だけでもいいので,『QB』をやっていたほうが安全だと思います.
特に「精神科」はマイナーのなかでも際立って出題が多いので要注意です.
最後に,コストパフォーマンスという意味では,小社の『レビューブック』メジャーとマイナーもオススメです.
机の上では,優先順位を決めて『QB』を解く.
移動時間など,ちょっとしたときに,『レビューブック』を繰り返し眺める.
というのがいいんじゃないでしょうか.
それでは,長~い記事で申し訳なかったですが,
最後まで読んでくださってありがとうございました!
国試ラストスパート,悔いのないように走ってくださいね!
(編集部 M)
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