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2008年11月11日

【6年生】 公衆衛生をナメてはいけない(その3)
意味がわかれば効率アップ! ②

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◆◆ 統計の概念を見てみよう

で,こうやって公衆衛生の意味を“理解する”のに最適なアイテムが,サブノートの付録である『サブノート・ナビゲーター』(略してサブナビ)なんです.


サブノートを要約したまとめと,口語調の“レクチャー”で,公衆衛生をかみ砕いて理解できるようになっています.

ここでちょっと『サブナビ』の中から,概念を理解するのが面倒で,しかも数字が覚えにくい「統計」のレクチャーを,抜粋してご紹介しますね.

◇◇◇◇◇◇

●合計特殊出生率

一組の夫婦が生涯に作る子供の数は何人でしょう.
平成18年の日本では,この値は1.32人となっています.
夫婦といっても,産むのは結局女性であるわけですから,「女性が生涯に産む子供の数」として統計を取っています.
この「女性が生涯に産む子供の数」という,とてもシンプルで分かりやすい概念には,「合計特殊出生率」という,とてもややこしい名前がついています.

合計特殊出生率=女性が生涯に生む子供の数 は 1.32(平成18年)

●総再生産率

さて,「産むのは結局女性」であるわけですから,
もし今の世代に女の子がまったく生まれなくなると,子供たちが大人になった世代には出産可能な女性が一人もいなくなり,もはやそれ以上の子供を産むことが出来なくなります.
このように,「子供たちが大人になった時に人口が増えるかどうか」は
「今の世代に女の子が生まれるかどうか」にかかっているわけです.

同様に,「子供たちの子供たちが大人になった時に人口が増えるかどうか」は
「子供たちの世代に女の子が生まれるかどうか」にかかっており,
「子供たちの子供たちの子供たちが大人になった時に……」もういいですね.
つまり,将来の人口が増えるかどうかは
女の子が生まれるかどうかにかかっているわけです.
なので,「女性が生涯に産む女の子の数」についても統計を取っています.
この値を「総再生産率」といい,現在は0.64となっています.
(「再生産」とは「女性が女の子(女性)を産む」という意味です.)

総再生産率=女性が生涯に産む女の子の数 は 0.64(平成18年)

生まれる男女の比はほぼ1対1ですので,総再生産率は合計特殊出生率の約半分になりますが,半分より小さくなっているのは,男の子のほうが女の子よりやや多く生まれるからです.

●純再生産率

では,極端な話として,総再生産率が1.00,
つまり女性は必ず生涯に1人の女の子を産む国があったとします.
(もちろん男の子も産んでいるのですが,ここでは話を省略しておきます)
さらに極端な話,生まれてきた女の子は
その母と同じ年齢になった時に女の子を産むものとします.

女性が1人の女の子を産み,その子が大きくなってまた1人の女の子を産み,
その子がまた大きくなって1人の女の子を産み,……と続いていった場合,
この国の女性の数は永遠に増えも減りもしないのでしょうか?
実はそうはならず,徐々に女性の数は減っていくことになります.
なぜならば,生まれてきた女の子の中には,母の年齢に達する前,
「女の子」でしかない時期に,不幸にして亡くなってしまう子がいるからです.


100人の女性が100人の女の子を産んでも,100人全員が成人できるとは限らず,
もし1人の女の子が幼い時に亡くなってしまい,99人になったとしたら,
その後は成人した99人の女性が99人の女の子を産むことになります.
この99人の女の子も同様に,全員成人できるとは限りません.
こうして徐々に女性の数が(ひいては人口が)減っていくことになるわけです.

総再生産率が1の場合,人口は将来的に減少する!

このように,「本当の意味で人口が変化しない」ことを考慮するためには,
生まれてきた女の子が大きくなって,
母が自分を産んだ時と同じ年齢にまで成長する(次の世代の女の子を生む年齢まで成長する)必要があり,
幼くして亡くなってしまう女の子の分を考えて,多めに産んでおく必要があるのです.
実際のところは母の時より若くして,あるいは母の時より年を取って子供を産む場合もあるわけですが,
このデコボコをならして,全員が母と同じ年齢で次の女の子を産んでいる,とみなしているわけです.

この考え,つまり女の子が成長するまでの死亡率を考慮に入れた,
「女性が生涯に産む女の子で,母と同じ年齢まで成長できる女の子の数」
「純再生産率」となります.


純再生産率=女性が生涯に産む女の子で,
母と同じ年齢まで成長できる女の子の数 は 0.64(平成18年)
純再生産率が1の場合,人口は将来的に変わらない!

したがって,わが国のような健康な国では純再生産率と総再生産率はほぼ同じ数値になりますが,
若くして死亡する確率の高い開発途上国では,2つの値の差が大きくなることになります.

◇◇◇◇◇◇

どうですか?
「合計特殊出生率」「総再生産率」「純再生産率」というヤヤコシイ言葉が,すんなりと頭に入ってきたのではないでしょうか.

まあ,この“レクチャー”を読む時間を削って,ただ1.320.640.64と覚えればいいじゃん,というのでもいいでしょう.
ただ,メンドウでも言葉と数字の背景を知っておけば,国試当日にどんな聞き方をされても,応用がきくんです.

最後に問題を出しますんで,O×をつけてみてください.
Check問題も,「サブナビ」に載っていますよ.

国試O×Check

(1) 合計特殊出生率は,総再生産率より常に大きい (95A17)
(2) 最近10年間の合計特殊出生率は1.5と1.7の間で推移している (102B9)
(3) 総再生産率は女児の出生数を表す (95A16)
(4) 最近10年間の総再生産率は1.00を超えている (102B9)


正解:(1)O,(2)×,(3)O,(4)×


(編集部 K)

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