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2008年09月03日

【6年生向け】 103回国試から新形式が! これから必要なチカラって…?(その1)

みなさん! はじめまして,こんにちは~!
編集部のD子です(^_^)
さて,103回国試から【新形式】の導入が決まっていること,みなさんはご存知ですか?

厚生労働省から各大学に通達されている
「第103回国家試験から導入する出題形式」.
6年生の方は大学の先生から,もう聞いているかと思います.

103回の国試から,これまで出題されてきた
Aタイプ(正解を1つ選べ),X2タイプ(2つ選べ)のほかに
3つの新形式が追加されることになったんですよね.
今日はその新形式も含めて,国試の出題形式についてお話しします.


◇◇ 出題形式の“タイプ”とは?

国試は,基本的に5つの選択肢が示されていて
AタイプとかX2タイプとかいうのは,その選び方を表しています.
まず,もっとも基本的なのが,Aタイプ.

〔Aタイプ〕
胆汁酸が再吸収される腸管の部位はどれか.
a 十二指腸   b 上部空腸   c 下部空腸
d 回腸末端   e 上行結腸

5つの選択肢の中から1つを選ぶ問題……特に説明はいらないですね.
Oのものを選ぶ場合と,×のものを選ぶ場合があります.

〔K2タイプ〕
腸管膜を有しているのはどれか.
(1) 上行結腸  (2) 下行結腸  (3) 横行結腸
(4) S状結腸  (5) 下部直腸
a (1),(2) b (1),(5) c (2),(3) d (3),(4) e (4),(5)

K2タイプは,あらかじめ選択肢の組合せが示されていて
Oを2つ選んで,その組合せによってa~eを答える形式です.
これ,たとえば (1) がOだとわかると
あとは (2)(5) のどちらかをOか×にできればいいわけで
Aタイプより難易度が下がるのがわかるでしょうか.

ちなみに,Oを3つ選ぶ形式もあって,K3タイプと呼ばれます.
K2と同様,組合せ方が5つしかないので
細かいところがあやふやでも,テクニックで解けてしまうんですね.

〔X2タイプ〕
後腹膜に固定されているのはどれか.2つ選べ.
a 虫垂     b 上行結腸   c 横行結腸
d 下行結腸   e  S状結腸

そして,最近増えてきたのが,X2タイプ.
5つの選択肢から,Oのものを2つ答える形式です.
当然,Kタイプより確かな知識が求められるのがわかりますね.

ここ最近の国試では,K2タイプ,K3タイプの出題数が減少
100回からはまったく出題されなくなりました.
反対に,X2タイプ(2つ選べ)の出題が急増
101回は135題,102回では110題と,国試の1/5を占めるようになったんです.


Kタイプは中途半端な知識でも,テクニックで何とかなってしまう.
でも,それではダメだと.
あやふやな知識がないようにしてね,というお達しなんですね.


◇◇“新形式”ってどんな問題が出るの?

これらの形式に加えて,103回の国試から【新形式】の問題が導入される,ということです.
さあ,どんな問題なのか,公表された例題を見てみましょう.

〔1〕 選択肢が6肢以上ある問題
48歳の男性.突然の腹痛を主訴に搬入された.慢性的に消化不良を訴えている.腹部全体の圧痛,反跳痛および筋性防御を認める.腹部エックス線写真では横隔膜下の遊離ガス像を認める.
原因として最も考えられるのはどれか.
a Campylobacter jejuni
b Candida albicans
c Giardia lamblia
d Rota virus
e Yersinia enterocolitica
f Helicobacter pylori
g Clostridium difficile

〔2〕 正解肢数を指定しない問題
有機リン農薬中毒では,アセチルコリン(1)を分解するコリンエステラーゼ活性(2)が阻害されるため交感神経系(3)が障害され,縮瞳(4)をきたす.また中枢性・末梢性の呼吸麻痺と分泌亢進による気道閉塞とで窒息し死亡することがある.有機リン中毒の特異的治療薬には,アドレナリン(5)やプラドキシムがある.
下線部の記述のうち,正しいのはどれか.すべて選べ.
a (1) b (2) c (3) d (4) e (5)

〔3〕 計算問題
動脈血ガス分析(自発呼吸,room air)によって,以下の結果を得た.
アニオンギャップを求めよ.
pH 7.43,PaCO2 41mmHg,PaO2 83mmHg
Na+ 138mEq/l,K+ 3.2mEq/l,Cl- 95mEq/l,HCO3- 25mEq/l

解答: (1)(2).(3) mEq/l [ 記入例:99.0の場合,(1)j (2)j (3)a ]
(1) a 0 b 1 c 2 d 3 e 4 f 5 g 6 h 7 i 8 j 9
(2) a 0 b 1 c 2 d 3 e 4 f 5 g 6 h 7 i 8 j 9
(3) a 0 b 1 c 2 d 3 e 4 f 5 g 6 h 7 i 8 j 9

…と,3つのパターンが公表されました.

〔1〕の選択肢が6肢以上ある問題は,正解の候補が増えただけですし
〔3〕の計算問題は,計算のしかたはどのみち勉強しないといけなんですから,まあ大丈夫ですよね.

しかし,〔2〕正解肢を指定しない問題って…(>_<)
QBを解いてる人ならわかると思いますが,国試の問題は「2つ選べ」にされたとたん,イッキに正答率が下がります.

「1つ選べ」問題なら,ほかの選択肢のO×があいまいでも,1つ確実にわかっていれば(あるいは消去法で他の4つを×にできれば)解けるんです.
そこまででなくても,選択肢を天秤にかけて「aよりbのほうがOっぽいよなぁ…」と比較すれば,答えの見えてくることもあります.

それが「すべて選べ」,つまり「全部にO×つけて!」にされるんですから,とてもじゃないけど,あいまいな記憶では太刀打ちできないですよね?
(ちなみにこれは「X-Nタイプ」とか「スーパーXタイプ」とか呼ばれる問題形式で,歯科医師国試にも導入されることが決まっています.)
採点方法や配点については公表されていませんが,「1つ間違えたらその問題は0点」になるカクゴは必要でしょう.

◇◇◇◇◇◇

この新形式の導入に関しては,「医師国家試験改善検討部会」が平成19年3月に出した報告書で触れられていて,

「出題形式に関しては,
5肢に対するAタイプとX2タイプでの出題は基本的に維持しつつ,
5肢での出題にとらわれない多選択肢での出題が適切である場合は,
内容に応じて多選択肢等を新たに導入することが望ましい.」
(参考:「医師国家試験改善検討部会報告書」

と提言されていました.
ここにきてこれが,現実のものとなってしまったワケです.

これまでのKタイプの廃止,X2タイプの増加に加えて
今回の【新形式】で「すべて選べ」問題が導入された,この流れをみてみると
あいまいな知識で偶然正解することのないように,出題形式を難化させている
といえるでしょう.

つまり,これからの国試で求められているのは,
選択肢の1つ1つに対して,Oなのか,×なのか,
はっきりと理由をつけて,自分の頭のなかでシロクロを判断できる力なのです.

むかしと比べて日数も問題数も増え,そのうえ難易度まで上がっていくなんて…
キビシイ時代になりました.

では,こうした新傾向の問題に,どうやったら対策していけるのか.
次回はその対策法について,お話したいと思います.
来週をお楽しみに!(^^)v

(編集部 D子)