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【必修・公衆衛生】 新ガイドライン講座 “トータルペイン”
「トータルペイン」,日本語では「全人的苦痛」という訳が付けられています.
看護学生なら知ってる人は多いと思いますが,医学生のみなさんはどうでしょうか?
これは,緩和ケアにおける用語です.
緩和ケアは日本国内での歴史が浅く,用語も馴染んだ日本語訳がないものが多くみられます.
トータルペイン(全人的苦痛)もその一つ.ぜひこの機会に覚えてください.
緩和ケアにおいて,特に末期癌の患者さんに痛みがみられるのはよく知られたところです.
しかし,緩和ケアの発展に伴い,このような患者さんの痛みが,単純に身体の痛みのみに基づくものではないということ,また同時に家族にも様々な痛みがみられることがわかってきました.
そこで,患者さんや家族の痛みを丸ごと「トータルペイン(全人的苦痛)」とし,その痛みを分類したところ,以下の4つに大別できると考えられました.
1.身体的苦痛 (痛み,日常生活動作の支障)
2.精神的苦痛 (不安,いらだち,恐れ,怒り)
3.社会的苦痛 (仕事・経済・家庭の問題,人間関係,遺産相続)
4.霊的苦痛〈スピリチュアルペイン〉 (人生への問い,死生観の悩み)
これらの痛みは,下に行くにつれてなかなか理解しづらくなっているのではないでしょうか.
特に日本では,宗教と生活との関わりが一般に欧米よりも薄いため,霊的苦痛〈スピリチュアルペイン〉にあるような内容は,死に直面した状況で初めて意識に上ることかもしれません.
緩和ケアでは,患者さんと家族の苦痛をこのようなトータルペイン(全人的苦痛)としてとらえ,その痛みを解消するための取り組みが,宗教的行事なども含めて様々になされています.
(編集部 A)
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