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2008年09月05日

【4・5年生向け】 『病気がみえる』で“国試もみえる”! 第3回

編集部T.K.です.お久しぶりです.

灼熱の太陽が胸を焦がす季節も,いよいよ終焉の時を迎えようとしていますが,
みなさん,僕のことを覚えていらっしゃるでしょうか?

念のためプレイバック自己紹介しておくと
第1回,第2回と『病気がみえる』を用いて国試の過去問を解説してきたT.K.です.
そう,『みて,理解する』,そして恋に落ちていくT.K.です(国試には落ちてません)!

第1回,第2回と臨床問題を解説してきました.
第3回では一般問題を題材に解説していこうと思います.

それでは,苦手な学生が多いとされている産科からの出題です!

はい,問題ドン!


102A3
新生児の頭血腫で正しいのはどれか.
a 硬い腫瘤である.     b 皮下の出血である.
c 骨融合を越えない.    d 生後3日までに消失する.
e 穿刺して血液を吸引する.


☆☆☆ 頭部損傷の鑑別 ☆☆☆

さて,新生児の頭血腫の問題です.
赤ちゃんは,お母さんのお腹の中から体外に出るまでに非常に険しい道のりを越えなければなりません.
頭血腫は,その過程で頭部に損傷を受けた場合に生じることがあります.
もちろん分娩時の頭部損傷は頭血腫だけではないので,
本問題のテーマとしては『分娩時頭部損傷の鑑別』ということになります.

そして,鑑別が必要な頭部損傷には産瘤,頭血腫,帽状腱膜下血腫の3つがあります.
前二者は放置すればいずれ消失しますが,帽状腱膜血腫はときに大量出血から出血性ショック,DICとなり死に至る例もあるため,
これらの鑑別は確実にできるようにならなければいけませんね.

しかしながら,教科書の文面だけで読み比べていても,なかなか身に付かないもの.
そこで『病みえvol.10』p.232を開いてみましょう!


まずはイラストを眺めながら,各々の病変部位を確認しましょう.
頭皮と骨膜の間(皮下)      ⇒産瘤
骨膜と頭蓋骨の間(骨膜下)    ⇒頭血腫
帽状腱膜と骨膜との間(骨膜上)  ⇒帽状腱膜下血腫

ここで重要なポイントは,
頭血腫は,骨膜と頭蓋骨の間に生ずるので『骨縫合を越えない』ということです.
したがって,骨縫合を越えない ⇒ 頭血腫 ということがいえます.

また,波動性の有無も重要な鑑別点で
波動性がない ⇒ 産瘤 ということもおさえておきましょう.
以上より,骨縫合を越え,波動が触れる場合は帽状腱膜下血腫ということになります.
すなわち,骨縫合,波動性の2点で鑑別できるようになるということです(国試的に).

次に,前述しましたが処置に関しても非常に重要です.
産瘤,頭血腫 ⇒ 経過観察 で問題ないのですが,
帽状腱膜下血腫では,血腫が前額,眼瞼,耳介周囲にまで広がり,大量出血をきたすことがあります.
したがって,帽状腱膜下血腫と診断したならば,
大量出血に対するしかるべき処置(輸血など)が必要となります.

その他,吸引分娩の有無や,消失時間なども重要となってくるので,一度自分で図表を見ておくとよいでしょう.
特に高ビリルビン血症の有無は,国試に出題されたことがあるのでおさえておきましょう.


☆☆☆ 選択肢 ☆☆☆

以上より,正解はc!
ついでに一つひとつの選択肢についてもコメントを付けておきますね.
×a 硬くはありません!
×b 皮下にできた出血・主張は産瘤ですね.
Oc 正解!
×d 出生後徐々に増大して,消失までに数カ月かかることもある!
×e 感染の危険性が高いので穿刺は危険!(ドンツ!!)


☆☆☆ 最後に ☆☆☆

基本的に,一般問題が臨床問題と異なるところは,思考力というよりかは知識力が要求される点にあります.
言うまでもなく,知識力アップのためには問題数をこなすことが重要となってきます.
ただし,知識力を養うためにはただ知識を詰め込むだけではなく,知識を整理することも必要となってきます.
そのためには『病気がみえる』の図表のようなもので,各疾患を比較しながら解いていくことをお薦めします.
そうすれば覚えにくかった知識なども,『当たり前の知識』となる日が来るでしょう!

◇追伸

次回は,産科の中でも特に苦手とされる『正常分娩』について解説していきます.
国家試験で産科の問題を解くのが楽しくなるかもしれませんよ~

~次回へ続きます~


(編集部 T.K.)