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【マッチング体験記】 大学病院を攻略してみる (H大学 Pさん)
私は初期研修先として,大学病院指向でした.
夏休み前ぎりぎりまでばっちり病院実習をこなした後でも,なんとか“出身校以外の大学病院”(結果は第一志望)に採用してもらえた経験を書いてみたいと思います.
私は出身校は受けず,他4大学病院を見学し,うち3大学病院の採用試験を受けました.
ある病院説明会で,
「もし不安でも,行きたくない病院/コースは絶対書かないこと.
もしどこにも入れなかったら2次募集を受けなさい」
と言われました.(その病院は毎年2次募集はしていませんが・・・)
その先生の真摯な意見に,だめなら2次募集,と腹をくくっていました.
先輩方の話を聞いても,ほとんどの大学病院は第一志望にすれば受かる可能性が高いので,実際には1校しか受験しない人も多いようです.
しかし,医局の雰囲気は大学によって異なるものですし,これから長くおつきあいしていただく医局が自分と合っているのかどうか,見学だけは何校かして決めるほうがいいと思います.
◇◇ 病院見学について
何事に対しても言えますが,研修病院に関しても,“現地”で情報を収集することが基本だと思います.
まず第一にやるべきことは,受ける”可能性のある”病院 × 行きたい”可能性のある”科はすべて見学することです.
病院説明会だけではなく,病院/診療科見学に足を運ぶことを億劫がってはいけないと思います.
5年次には部活を始め,長期休暇中にしかできない様々な行事など,まだまだやりたいことがたくさんあります.
6年になれば病院実習も終盤を迎え,サボれない忙しい日々の連続です.
「病院見学なんてわざわざ時間さけないよ!」
と思うのもごもっとも.
かく言う私も,もうあの病院は見学はやめようかなあ,と何度となく思いました.
しかし,そこは体力.
忙しいスケジュールをかいくぐって行くべきだと思います.
そして,できれば,医局員がたくさん集まるカンファや,夜から始まる論文抄読会などにも参加して,縦に横に,その病院の雰囲気・研修体制・医局の雰囲気を垣間みてください.
実際自分の目で見なかったことは,最終的に何かで悩んだとき,何の考察材料にもなってくれないものです.
私は,それぞれの医局での方針,個々の先生方の話を聞きながら,見学した先々で自分の将来やってみたいこと,そのために初期研修の間に望んでいることなどの話をしました.
そして,
「一緒に模索しましょう!一緒にやってみませんか!」
と言ってくださった2校を両方とも第一志望と考えて,試験勉強に臨みました.
初期研修は内科外科を回ります.
初期研修の半分を過ごす病院のmajorな科もまんべんなく見ておくことは,その病院の研修体制を知るのに非常に有効です.
研修センターのスタッフは大抵,内科や外科の大きな医局に所属している/していた先生達です.
ですから,センター所属の先生に案内していただきながらmajorな内科や外科を見学させてもらうと,マッチング担当の先生直々にいろいろ話を聞け,研修医の先生方と話をする機会も与えてもらえ,真に迫った回答が得られることがありました.
◇◇ 学課試験について
大学病院の採用試験は”面接だけ”という場合を除けば,少なからずその大学の在学生に有利であることは想像に難くありません.
なぜなら,試験出題者の授業を受け,定期試験を受けたことのある学生にとって,同じ傾向の試験問題は対策が立てやすいからです.
では,他学の学生としてはどうやって対策を立てるか?
まずは病院見学の際,できるだけ研修医”1年目”の先生方と話を指せてもらえるよう事前にお願いしておくことです.
1人の先生と話をしていると,自ずと周りにいた研修医の先生方も話に加わってきてくれるものです.
みんなで食事まで行ったこともありました.
和気あいあいと前年度の問題傾向を聞くと同時に,その数人の先生方がみんなできたという問題,誰もできなかったという問題,できた人とできなかった人がいた問題,対策の相違など,“個人差”を聞き取り,そこから必須の項目を絞り出して勉強の対策にしました.
また,その大学の卒業試験などがマッチング対策に有効だったりします.
私は,病院見学や病院説明会等で隣に座った在学生等と話をして情報を仕入れました.
ここは恥ずかしがらず,しかし丁寧に聞くことで,仲間に入れてもらうことができました.
また,英語問題の出る大学があります.
大学によって出題パターンは違うのだと思いますが,もし医療系の論文がもとに作成されるようであれば,New England Journal of Medicine (NEJM) やLancetの“table of comments (TOC) ”をチェックし,読めるものはどんどん読む訓練をしていくといいと思います.
私の学校ではPDFは落とせませんでしたが,図書室に雑誌はありますし,ときどき契約していなくてもPDFが落とせる論文もありました.
私にとって非常に役立ったのは,NEJMのe-mail alert(TOCを無料で,毎週メールしてくれるもの.各雑誌のホームページにいくと手続きできます.)と,一緒に送ってもらえる“Resident e-Bulletin”というメールでした.
(これは別個に申し込んだのかどうだったか忘れてしまいました.ただし,これも無料です.)
ここではその週に搭載された論文のうち3つがtopicsに取り上げられており,各論文に関して3つ程のquestionとそれに対するanswerが書いてあります.
それらをつなげるとだいたい論文のsummaryになるのですが,要は,論文を漠然と読むよりも,“こういうところが重要なんだ”,ということが明らかとなり,読解の手助けになる,ということです.
もともと論文を読む経験を持っている人や英語が得意な人ならば,集中的に頑張れば2週間で確実にできるようになると思います.
私は時間的に2週間しかできませんでした.
◇◇ 面接について
面接で聞かれたことは,「どうして医師になろうと思ったか」など,医学部入試のときに聞かれそうな一般的な質問が中心でした.
その中で,どの大学病院でも聞かれたことは,
「どうしてこの大学病院を選びましたか?」
です.つまり,この質問は非常に大切な質問ということになり,これには前もって積極的な答えを用意しておくことが必要だと感じます.
また,準備をしておいてよかったな,と思ったことは,
「近頃話題になっているような医療の問題をどう思いますか?」
という問いでした.
私のように地方の大学にいますと,日々の問題の中心は医師不足の問題ばかりです.
これも大きな問題ですから,これについては想定応答を用意しておりました.
しかし,あの時聞かれた“話題となっている”という言葉は,明らかに医療訴訟の問題を指した質問であり,質問の含蓄と私の関心事との微妙な相違に,一瞬,うまく答えられない不安を覚えました.
そこでとっさに私を助けたのは,今年に入ってから目を通すようになっていた,“m3.com”という医療ニュースサイトです.
このサイトでは,一般医療ニュースのTOCを,登録さえすれば無料で毎日,e-mail alertとして送ってくれます.
最新の医学ニュースあり,医療の時事問題あり,それらに関する様々な先生方のご意見ありで,送られてくるTOCの中で関心のある項目は,クリック1つで詳しい記事まで読むことができます.
毎日毎日のことなので,新聞を読むように適当に流し読みさえしていれば,”何となく”いろいろなキーワードや医療問題の流れを頭に通しておくことができます.
自ずと意見も湧いてくるものです.
これは無料です.是非おすすめします.研修医になってからも役立つと思っています.
◇◇ 最後に
マッチングの勉強を早くからやり始める?
私は結局できませんでした.
長期休暇なども使って大いに学生のときにしかできない活動をする.
部活に燃える.
そんな経験が結局は自分自身を磨き,自ずと推薦書を個性的なものにし,面接の応答を味わい深いものにするのではないでしょうか.
是非,”今しかできないこと”を,躊躇せずに思う存分精一杯がんばってやってください.
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