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2008年10月29日

【6年生】 マッチング体験記,届きました!(11/4まで募集中)

先週のメールニュースで募集をはじめたマッチング体験記,早速多くの6年生から応募をいただきました.
最初に届いたのは,なんと配信2時間後!
そんなすさまじい早さで送ってくれた,ペンネーム“徳米”さんのマッチング体験記を紹介しちゃいます.

マッチング体験記の締め切りは11月4日(火)10時.
まだまだ募集中ですので,徳米さんの体験記を参考にして,あなたもぜひ書いて送ってくださいね.
(詳しい応募要項は先週の記事をご覧ください)

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【マッチング体験記】自分にあう研修病院の見つけ方
ペンネーム:徳米(H大学)

「幾つもある病院の中から,自分にあう研修病院を見つけ出すには,どのようにすればいいのだろうか?」
そう考えながら,私なりにマッチングに取り組んできたので,その経験を記したいと思います.
マッチングの筆記試験や面接での質問内容などを気にされている方も多いとは思いますが,私のこの体験談では,「どこの研修病院を受験するか」に焦点を当てて記したいと思います.
今後マッチングに挑まれる方にとり何らかの参考になれば幸いです.


(1) 5年生春~夏 -見学に備え自分の視点を定める-

早いひとだと5年生の春~GWあたりから病院見学を始めるそうですが,私の場合は,5年生の夏休みから開始しました.
それには理由がありました.
ポリクリが5年生から始まるので,まず大学の実習で臨床現場を見て,臨床のイメージを自分なりにもってから見学にいくべきだと思っていたからです.
自分の視点が定まらないうちから色々病院を見学して回っても,その病院の特徴が判断できないのではないかと思ったんです.
「早く動かなきゃ・・・.」という焦りはあるかと思いますが,まず自分なりの基準をつくろうと思った自分の判断は,間違っていなかったと思います.

大学ではポリクリで積極的に見て回り,空き時間があるときにマッチングや初期研修に関する書籍で情報を得ようとしていました.
私の場合,市村公一著「臨床研修の現在」(医学書院)が参考になりました.
いわゆる全国の研修有名病院の見学やインタビューの取材記録なのですが,病院見学する際,どういうところを見るといいのかひとつの参考になりました.
また実際,この本に紹介されている有名病院の幾つかの病院も,のちに自分で実際に見学に行きました.


(2) 5年生夏休み -見学する診療科-

【見学する診療科】
病院見学を開始しました.将来進む診療科としてマイナー科も考えていたので,興味ある診療科へ予約をとりつけ,見学に行きました.
しかし,今考えるとこれはあまり良い方法だとは思いません.
見学する診療科はマッチング見学をする上で非常に重要で,救急,内科,外科,小児,産婦人科のいずれかの診療科を見学すべきだと思います.
理由は,そもそもの初期研修の教育プログラムがこれらの診療科を中心に設計されているからです.
特に市中病院の場合は,初期研修後もこれらの診療科の実働スタッフとして採用する選択肢も考えてマッチング選考をしているようです.
その病院が人材を欲している診療科を見学する方が良いと思います.

それと,将来進む診療科に関わらず,私は救急診療科の見学を強く勧めたいと思います.
日中に内科を見学し,そのまま夕方から翌朝にかけて夜間救急を見学することも出来ました.
それと,複数の病院を見学しようと考えている人の場合,同一診療科で見学をして,病院ごとの違いを見比べるのも参考になります.
当然ですが,同一病院内でも診療科ごとの違いもあるので,対照比較しやすいよう診療科をそろえる方が良いと思います.

【大学病院か市中病院か】
当初より私は市中病院で初期研修を受けたいと希望していました.
しかし,この時点では,自分の大学の病院でさえも,ポリクリでしか知らない訳です.
そこで,病院見学として2~3件の大学病院も見学しておくことにしました.
私の場合,市中病院で研修したいという気持ちは揺らぎませんでしたが,大学病院の見学はしておいて良かったと思っています.
おそらく3年目以降の進路を考えるときにも,この経験が多少の参考になるのではないかと思っています.
時間が許すのであれば,興味のある他大学の病院も見ておくことをお勧めします.

5年夏休みに市中病院を8件見学しましたが,今考えるとその選定に問題がありました.
その全てが「都市部の」「有名な」「大病院」ばかりなのです.
先述の通り,見学には比較対照することが大切なので,条件をバラつかせる方が良かったと思います.
しかし,悲しいかな,知識が無いと「有名病院しか知らない」状態になってしまうのです.
まずは「自分にあう研修病院を見つけ出す」ことが目的なので,出来るだけ多様な病院を見学されることをお勧めします.

私の場合,病院見学で一番難しかったのは,この「自分にあう研修病院を見つけ出す」ことでした.
有名病院を見学することは容易ですが,自分にあう病院を見学することは容易ではないと思います.


(3) 5年生秋冬 -自分のやりたい研修ビジョンを再構築-

それまでに見学した病院は,結局,ちまたで言われる有名病院でした.
それまで「そういう有名病院で研修すればすばらしい医師になれる・・・のかも.」と漠然と考えていた自分に気づき,はたと立ち止まった時期でした.
医学生が人それぞれ違うように,長所も特徴も,将来なりたい自分像も,人によって違う訳です.
世間の評判ベースではなく,自分の価値観ベースでマッチングに挑むべきだと考え出しました.

この時期に見学した病院は3件(全て救急)だけです.
外から情報を得るよりも,自分自身の考えや将来像を考えて見つめ直しをしていたように思います.
夏の見学で得た情報をもとにして,自分のやりたい研修ビジョンを再構築したのだと思います.


(4) 6年4月~6月 -情報源と情報のin/out -

大学の学事があって休日数も限られていましたが,6件ほど見学に行きました.
この時期初めて,それほど有名ではない病院や,中小規模病院や,地方病院へ見学に行きました.
ここにきてようやく,「研修先によってこれだけ違いがあるのか」と実感するようになりました.
指導医の陣容,研修医の数,診療科ラインアップ,救急の守備範囲,研修医の研修内容,3年目以降の進路,など.非常に多くの見所が見えてきました.

またこの時期の見学は,後のマッチングに直結する有益な見学になったと思います.
実際,6年生のときのマッチング病院は,この時期にはじめて見学した病院でした.

【情報源】
基本情報は病院web pageを見て予めチェックしましょう.
見学時はwebや紙資料で得られない生の情報だけを取材します.見学での情報源を重要度順に並べると,

(1)初期研修医の医師
(2)指導医の医師
(3)看護師やコメディカルスタッフ
(4)患者層や地域性
(5)事務スタッフ
(6)病院施設

という感じでした.

特に,研修医の先生には,出来るだけいろいろ訪ねてみましょう.
マッチング試験の内容や面接で聞かれた質問なども,経験談として教えてくれます.
病院の中で,医学生に一番近い視点の人ですので,生の声は本当に参考になりました.
研修内容や指導医・スタッフとの人間関係などは勿論のこと,生活面や,医学生時と今とで考えがどう変わったか,などは生でしか聞けない非常に有益な情報となりました.
ただし,研修医の先生を含め病院スタッフの方々は業務で多忙ななか対応して下さいますので,出来るだけ仕事の邪魔をしないとか,事前に質問を用意しておく等,最低限のマナーを心がけましょう.

【実はあなたも情報源】
病院見学に行くと,見学している医学生の立ち居振る舞いや言動は,研修医や指導医からチェックされていることがあるようです.
余り公にはされませんが,チェックシートで評価している病院もあるようですし,見学時の印象を研修医が指導医や事務スタッフに報告する病院もあるようです.
つまり,見学をして情報を得ようとしているのはあなただけではなく,病院側も研修医候補生としてあなたを評価しようとしているのです.

また,同日に他の大学の医学生が見学することもあります.
医学生同士で会話を交わす機会があれば,どういう意識で見学に来ているのか聞いてみるのもいいでしょう.
バリバリ研修したいという医学生が見学に殺到する病院もあるようです.


(5) 6年7月~8月 -マッチング前夜-

ここまでの見学の過程で,自分のやりたい研修ビジョンもある程度固まってきましたし,それをするための研修先病院も見えてきました.
7月下旬からは実際にマッチング選考試験も始まります.
その前に,マッチング選考の出願もありますので,スケジュールも考えながら出願書類を用意します.

私が工夫したのは,志望順の高い病院には2~3度見学に行くこと,です.
特に,2度目以降に見学するときには,指導医の先生に自分を覚えてもらうつもりで行きました.
マッチング直前に再度訪問しておくのは,選考面接の際に面接官の心象をよくする効果もありました.
「本当にここで研修したいんです.」という気持ちを相手に伝えることが大事です.


(6) 最後に

筆記試験や面接試験,なかにはグループ作業など,いろいろな選考があると思います.
どういう基準で研修医を採用するのか,は病院によって様々だと思うので,見学をしながら情報を得て対策すればよいと思います.
行きたい病院さえ決まれば,あとは選考を頑張るのみ,です.

皆さん各人にとって良い研修病院に出会えますよう,心よりお祈り申し上げます.